会社員が納める社会保険料を理解する

By sawaikeshin , 2025-12-10

皆さんは社会保険料の仕組みについて、どれくらい理解していますか。少し前の筆者のようになんとなくレベルの方であれば、本記事で概要をつかむのに役立つはずです。

筆者は社会人として働き始めてから、社会保険料は自動的に天引きされるので理解してもしょうがない、とこれまで特に気にすることもなく過ごしてきました。ただ、FIREを意識するようになり会社員ではなくなったらこの扱いはどうなるのか、と調べはじめてようやく理解できてきました。同時にもっと早く知っておけば...と感じましたので、今回はFIREを目指す方向けに、筆者なりに理解した社会保険料についてまとめます。

社会保険料の内訳

社会保険料は源泉徴収票に項目があり、この欄で年間支払っている合計額がわかります。

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Withholding Tax Slip Sample

前回の図から、社会保険料の部分の内訳を足した結果が以下です。

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Social Insurance Premium

毎月の給与明細には、これらの内訳に相当する「〇〇保険料」の項目があるはずです。各保険の概要は以下の通りです。

  • 厚生年金保険:老後にお金が定期的に給付される。
  • 健康保険:病院や調剤薬局などで医療費が軽減される。
  • 介護保険:介護、支援が必要な際の費用が軽減される。40歳になってから徴収がはじまる。
  • 雇用保険:失業中の就職活動支援の際や、指定された教育/講座の費用として給付される。

強制的に加入/徴収されますが、老後、病気、失業などの際に給付が得られるため自分自身が恩恵にあずかる、という点で税金とは区別されている、と理解できます。

各保険料の目安

それぞれの保険で保険料率が設定され、月給に対する割合で保険料が算出されます。厚生年金保険は全国一律ですが、その他は業種であったり、会社が加入している保険組合によって異なります。

例として、協会けんぽの東京都(2025年)の場合は以下の通りです。

種類保険料率
(会社員)
補足
厚生年金保険9.15%月給の上限は66.5万円
健康保険4.955%月給の上限は135.5万円
介護保険0.795%月給の上限は135.5万円
雇用保険0.55%一般業種の場合(参照URL
合計15.45% 

表では会社員が負担する値を書いていますが、会社側がほぼ同じ分を負担しています。社会保険は会社が半分負担しているので会社員は優遇されている、と聞いたことがありましたが、なるほど...と思いました。逆に起業して、人を雇うのは大変だなとあらためて感じます。

この例では4つの保険料率を合計すると15.45%になりましたが(40歳未満は介護保険は無いため14.645%)、目安と考えてください。保険料率は毎年見直されますし、加入している保険組合によっても変わってきますので数%の違いはありえます。

現在の自分の保険料率を調べる場合には、加入している保険組合名に「保険料率」を加えて検索すれば先ほどの協会けんぽの例と同じような表に辿りつけるはずです。

保険料の上限

この点を私が把握していなかったのですが、表の補足にも書いたように、雇用保険以外には算出する月給に上限が設定されています。保険組合に変わらず同じルールのようですが、厚生年金保険は66.5万円健康保険/介護保険は135.5万円です。

ということは、ボーナス(賞与)を考えない場合、厚生年金保険は年収798万円(=66.5*12)、健康保険/介護保険は年収1626万円(=135.5*12)を超えると、納める保険料は頭打ちになるので、これらのラインを超えると年収が上がればそれだけ保険料率としては下がっていきます。

賞与がある場合、こちらも同様に保険料率が適用されますが、別の上限が設定されています。厚生年金保険は1回で150万円健康保険/介護保険は年間累計で573万円です

そのため、賞与があると年収800万円あたりでも月給、賞与ともに上限には届きません。では、年2回3か月分の賞与が出る場合(夏に1か月、冬に2か月と想定)、どのあたりが上限になるか、と計算してみました。

900、1050、1200万円でそれぞれ計算した結果が以下の表です。太字が厚生年金保険の上限を超えている箇所です。

年収月給夏賞与冬賞与
9006060120
10507070140
12008080160

一般的な賞与がある会社では、1050万円あたりで上限に到達しています。そういえば最近、ソニーが夏のボーナス支給をやめるかわりに月給に割り当てる記事を見ましたが、この上限が関係していて社員によっては社会保険料が低くなる、ということですね。会社四季報によるとソニーグループの平均年収は1118万円でしたので、効果がありそうです。

ただ、厚生年金の上限が今後引き上げられるということも決まっていましたので(この記事書くまで知りませんでした...)、今後は効果も限定的になりそうです。

厚生労働省 厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて

賃金が上昇傾向にあることを踏まえ、今回の改正により、標準報酬月額の上限を65万円→75万円に引き上げます。
(2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円と、段階的に引き上げ)

おわりに

今回は会社員が納めている社会保険料について、抑えておきたいポイントに絞ってまとめてみました。納める金額は加入している保険組合によっても左右され、税金の節税対策のように個人で保険料を抑える余地は無いと思います。ただし、自分の収入に対してそれなりの割合で負担していますので、仕組みは理解しておき、保険が必要な時には活用すべきだとあらためて感じました。

次回は所得税についてまとめます。

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