簿記2級に関してもっと早い段階で正しく理解しておけば...と思った内容について、自分なりにまとめました。
これらはテキストを読んでいる段階では違和感もなく理解しているつもりでしたが、いざ実際の問題に取り組むと解けないことが多く、関連する背景や仕組みが理解できていないせいで余計に学習時間がかかっていたと感じた箇所です。
以降の内容は同じく簿記2級の取得を考えている方の役に立つと思います。
原価の分類・製造間接費・加工費の関係
工業簿記では製造工程が入る分、商業簿記よりも原価計算が細かくなっています。
原価は材料費・労務費・経費の3種類があり、それぞれ直接・間接があるため、計6種類に分類されます。
このうち「間接○○費」は全て製造間接費として扱い計算します。
また、総合原価計算では月ごとの製品の完成度から、完成品分の原価を算出します。その際には直接材料費と加工費にわけてそれぞれ計算しますが、加工費は直接材料費以外の5つの分類すべてを指していて、「製造間接費+直接労務費+直接経費」と考えることもできます。
なんとなく問題を解いているだけだと製造間接費と加工費の違いを正しく理解していないままで問題を解く際に間違えることがあります。私は学習終盤でようやく意識して理解が深まりました。
製造間接費の差異分析
工業簿記では製造間接費を評価する際に、以下の3つの差異を考えます。
- 操業度差異:工場・機械のフル稼働(基準時間)と実稼働の差によって生じる固定費の損失額
- 能率差異:製品の製造目標時間(標準時間)と実時間によって生じる差額
- 予算差異:予算許容額と実際発生額の差
これらを求めるために、1つの図ですべてが盛り込まれているシュラッター図と呼ばれる図を書く方法が一般的なようですが、情報量が多くなかなか覚えることができませんでした。
何問か解いている間に、同じ図をそれぞれの差異に分けて考えて以下のように解くようになりました。
いずれの差異も赤と青の金額を確認してから「赤-青」で計算できます。
差異計算は他にも方式があったりバリエーションがいくつかあるため、テキストでは汎用的な書き方をしている印象がありますが、簿記2級に関してはこの図の考え方さえ覚えておけば大丈夫です。
税効果会計で理解すべき3つの処理
商業簿記2級では、会計上の損益と税法上の損益の違いを調整する「税効果会計」の手続きを扱います。
これはFP2級でも出てきて、損金(≒ 費用)と益金(≒ 収益)でそれぞれ算入・不算入の合計4パターンの調整がありますが、簿記2級では「引当金」「減価償却費」「その他有価証券」の3つの処理を理解することが重要です。
「引当金」「減価償却費」は税法上で認められない超過部分が損金とみなされないため、損金不算入で考えますが、その際に「繰延税金資産」と「法人税等調整額」という勘定科目を使います。
税金の調整額をなぜ「資産」として扱うのか理解が曖昧なまま学習を進めていました。AI等活用しながら調べると、今期は費用として認められずにその分課税されるものの今後損失が発生したり減価償却する際に費用として認められる(繰延の)資産である、とわかりしっくりきました。
関連して「法人税等調整額」の扱いも終盤まで勘違いしていましたが、順番としては「税法上の課税額」を「法人税等調整額」で加減して「会計上の法人税」を計算していることに気づきました。
気づくまでは、「会計上の法人税」を「法人税等調整額」で加減して「税法上の課税額」を計算するのだと思いこんでいました。
簿記2級では「税法上の課税額」を算出することは基本的になく問題等で与えられます。与えられた数値を使って法人税等調整額を反映したり、他の項目を計算したりします。
次に「その他有価証券」は「法人税等調整額」の勘定科目を使わずに「その他有価証券評価差額金」で処理します。
これは、会計上(貸借対照表)では財務状態がわかるように評価損益を反映させる一方で、「その他有価証券」は税法上では含み損益が課税対象にならないためです。売却時には税金が発生しますが、それまでは「繰延税金資産」または「繰延税金負債」として処理して会計上の数値を調整するだけで、課税額は変わりません。
テキストではこの背景説明がなかったので覚えるのに苦労しましたが、背景がわかってからは勘定科目の利用や借方、貸方の位置に迷うことはなくなりました。
非支配株主持分と非支配株主に帰属する当期純損益
商業簿記2級では、親会社の立場で子会社との連結会計の処理を学びますが、特に完全子会社化(=100%所有)でない場合を扱います。
親会社以外の株主は非支配株主として処理する必要があるため、子会社との連結会計において利益や損失の一部を非支配株主に振り替えなければいけません。
テキストでは「この場合にはこのように仕訳をします」という方法が記載されていますが、その説明がかなりシンプルで、なぜそうするのか、どのような背景があるのか、までは書かれておらず覚えるのに苦労しました。
この点もAIの補足によって以下のように理解を深めることができました。
- 「非支配株主持分」は外部の株主に権利がある分だが、返済義務がないため純資産の扱い
- 「非支配株主に帰属する当期純損益」は自社の利益を外部の株主に分けるために使い、自社にとっては費用のような扱い
「非支配株主に帰属する当期純損益」は勘定項目が長くて覚えにくく、かつ借方によく出てくるのでしっくり来ていませんでした。これは外部の株主にとっては利益でも会社としては費用の扱いである、と捉えるようになってからは関連問題が解けるようになっていきました。
おわりに
テキストや教材が不十分でも、AIで補足できるのは効果が大きいなと感じます。今の子どもの世代にとってはこの環境が当たり前と考えると、うらやましくもあり、より大変になっているようにも思います。
今後の教育の分野は確実に変わっていかざるを得ないと実感していますが、良い方向に変わっていくことを期待したいです。
参考になりましたらクリックしていただけると嬉しいです。