今後の金の価格に関して、JPモルガンやゴールドマン・サックスによる見通しが記事になっています。
JPモルガン(JPM.N), opens new tabは17日付リポートで、2026年平均の金価格見通しを1オンス=5708ドルから5243ドルに引き下げた。短期的な需要の鈍化を理由に挙げた。
金スポット価格は18日、1オンス=4530ドル近辺で推移した。1月下旬に付けた過去最高値の5600ドル弱を下回っている。ゴールドマンは、金価格が今年末までに5400ドルに上昇するとの強気の目標を維持した。UBSグループやANZグループ・ホールディングスも最近、同様の見方を示している。
タイトルだけみると両者で逆のことを言っているように見えますが、方向性としては同じような見通しです。2026年末までに、1月末の最高値5,600ドル/トロイオンスまでは戻らないものの5,200~5,400ドルになると見ており、現在の4,500ドル付近よりは上昇すると予想しています。
日経平均やドル円もですが、こういった未来の数字の分析や予測は当たらないことを何度も見てきていますので、話半分くらいに捉えています。
私の場合は10年20年と長期で保有するつもりで短期で下がる分には問題ないのですが、長期で上昇しないのは困ります。
過去には長期間、金の価格が全く伸びていない時期があったので、今後もそういった可能性があるのか気になり、今回あらためて振り返ってみることにしました。
1973~2025年の金価格
田中貴金属の年次価格推移に掲載されている数値から、円/グラムと米ドル/トロイオンスの年平均値を使ってグラフにしました。
青が円ベースで左側のy軸の数値に対応し、紫が米ドルベースで右側のy軸の数値に対応しています。
以降では米ドルベースの価格でどのように推移していたか期間をわけて見ていきます。
1980年(急騰)
過去に高騰した頃に着目すると、1978年に193.31、1979年に307.41、1980年に612.13と上昇し金の価格は約2年で3倍になりました。
この原因はオイルショックや中東を中心に世界情勢が不安定だったためとされています(今と少し共通する点がありますね...)。
1981年から2001年(長期低迷)
翌年の1981年には459.87と下落し、その後多少の上下はありつつも下降&横ばいが続いています。2001年には271.05となり1980年には612.13でしたので20年で半値以下になっています。
米国の政策金利の利上げ、株式・債券市場の成長、各国の中央銀行による金の大量売却、冷戦の終結等が原因で、金の保有メリットがなくなったためとされています。
2001年から2012年(上昇)
2001年の271.05以降、2012年の1668.86までは上昇の一途をたどり約12年で7倍になりました。
この原因は2001年の9.11同時多発テロ、それに続く戦争、そして2008年のリーマン・ショックによって安全資産である金に資金が流れたため、とされています。
2013年から2019年(長期低迷)
2013年に1411.77と下がり、その後2019年の1392.6まで約7年間下降&横ばいが続きます。
リーマン・ショックによる混乱からの経済回復、米国の利上げ開始によって金の保有メリットがなくなったためとされています。
2019年以降(上昇)
2019年の1392.6以降、上昇を続け2025年に3431.54となりました。約6年で2.5倍です。2026年5月現在は4,500付近にいます。
この原因はコロナ禍の金融緩和、インフレ、世界情勢、中央銀行による金購入などが原因とされています。
消費税について
これらの数値は税抜です。国内の現物を扱うサイトでは実際にやりとりすることになる消費税込の価格で表示されていますが、国際基準で価格推移を考える場合は除外していることが一般的です。
現物は買売どちらも消費税分がのりますので、国内だと金価格の10%上乗せで取引することになると考えればよいでしょうか。今後消費税率が変更される場合、その前後で現物を売買することも検討すると良さそうです。
為替の影響について
米ドルが国際基軸通貨のため、金も米ドルを基準として取引されています。同じ期間の米ドル円の推移のグラフも作りました。
ドルと円による金の価格を比較すると、特に2012年前後には大きく差が出ていたことがわかります。1ドル100円を切っていた円高の影響ですが、円安になれば逆の現象になります。
円ベースでは、2019年に4,918でしたが2025年17,302となっており、ドルの時は約6年で2.5倍でしたが円では3.5倍になっています。
金(ゴールド)はドルと円で重さの単位も異なり、ドルで基準となる1トロイオンスは31.1035グラムです。
トロイオンスからグラムに換算するには31.1035で割り、ドルから円に換算するにはドル円を掛けることになります。
例えば1ドル155.5175円だった場合がわかりやすく、ドル/トロイオンスの価格を5倍(=155.5175/31.1035)すると円/グラムの価格になります。
冒頭のグラフでは左側のy軸が0~20,000円、右側のy軸が0~4,000ドルの範囲にしており5倍の差があります。そのため1ドル155.5175円を境にして、円安になれば青の線が上回り、円高になれば紫の線が上回ります。
最近のドル円は150~160あたりを推移しているのでわかりやすいかなと思いました。
おわりに
FIRE生活に入る前は、2029年頃まではNISA枠を使いつつ株式、債券、金、暗号資産への投資(購入)は続けようと考えていました。
私の資産構成上の現金の割合がまだ大きく、時間も分散して入金を続けた方が安全と感じているためです。
基本的にはその方針で現在も進めているのですが、2025年後半から2026年2月にかけての金(ゴールド)の価格上昇により資産ポートフォリオ上の金の割合が大きくなったため、入金継続にこだわるのも良くないのでは、と思うようになりました。
今回過去の金の価格推移やその原因を調べてみましたが、長期間横ばい&下降となる期間が今後も起きる可能性を踏まえておくべき、とあらためて感じました。
純金積立の場合は売却益が譲渡所得の扱いで一定額は非課税にできるため、今後は長期積立・入金にこだわらず、上昇局面でポートフォリオに偏りができたら売却によるリバランスも行っていこう、と考えることができました。
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