FIRE前に失業給付のことを調べていた際に、FIRE済の方々によるブログの関連記事がとても参考になりました。
AIでもある程度は調べることができますが、実体験による記録や説明は説得力があり、より信頼できると感じます。そのため私自身も実体験を個別に記録に残してきました。
重複する部分もありますが、あらためて失業給付を受けるか考えている方向けにまとめました。今後FIREを考えていて気になっている方の参考になればと思います。
以下の構成にしましたが、このまま読み進めると良いと思います。
- 給付要件の確認
- 総給付額の把握
- 給付に必要な活動の理解
- 全体スケジュールの作成
- 給付手続きと求職活動の実行
1. 給付要件の確認
「失業保険」や「失業手当」とも呼ばれていますが、正しくは「雇用保険の基本手当」の制度です。
雇用保険は会社員として働いていれば加入しています。給与明細に雇用保険料の項目があり、自分が毎月納めている保険料がわかります(会社も同じ額を納めています)。
役員や取締役は雇用保険に加入できないため、役員や取締役になった時点で雇用保険から外れます。また、退職が自己都合か会社都合かによって給付要件や支給内容が変わりますが、以降の内容は会社員の自己都合による早期退職に限定しています。
「基本手当」の給付要件は以下の通りです。
- 離職日以前の2年間に、雇用保険の加入期間が通算12か月以上ある
- 就職したいという積極的な意思があり、いつでも就職できる能力がある
- 積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態である
上記の通り、就職の意思がなければ要件を満たしません。ここでの「就職」とは、「週20時間以上の雇用保険対象となる仕事に就く」ことといえます。ですのでフルタイムである必要はなく、週3日×7時間や週4日×5時間で継続的に働くという意思があり、指定された活動をすれば要件を満たします。
自営の開始や準備に専念する場合は要件を満たさず、給付を受けることはできません。
特にサイドFIREとして自営・開業を考えている方、副業収入が既にある方は注意が必要です。
2. 総給付額の把握
基本手当の合計額は「基本手当日額 * 給付日数」となります。
基本手当日額
基本手当日額は「退職前半年間の月収(ボーナス除く)」と「自身の年齢」で決まります。退職前の収入に応じて50~80%の給付率が適用されますが、定められた範囲を超えると基本手当日額は上限・下限に固定されます。
この上限・下限額は毎年8月1日に変更されます。2026年8月1日以降の情報は以下にあります。
去年から200円程度増えていましたが、直近5年分の変更を確認したところインフレの影響か増加額も年々増えている印象です。
2026年8月以降は、30~44歳は上限8,270円、45~59歳は上限9,110円です。おおよそですが、月収にするとそれぞれ約50万円、55万円が上限到達ラインです。
収入がある人ほど給付率が下がりますので、その点はあらかじめ把握しておくべきです。
給付日数
給付日数は「雇用保険の加入期間」によって決まります。会社員として働いていた期間と同義といえますが、期間ごとの給付日数は以下の通りです。
- 10年未満:90日
- 10年以上20年未満:120日
- 20年以上:150日
転職をしていても、前の会社の退職から1年以内に転職していれば加入期間がリセットされることはありません。私自身も3回転職していますが、すべてカウントされていて加入期間は20年以上として扱われました。
ただし、途中で1年以上の無職・失業の期間があると、その間に基本手当を受けていなかったとしてもそれまでの加入期間はリセットされます。
これで「基本手当日額」と「給付日数」がわかり、給付額も把握できるはずです。
3. 給付に必要な活動の理解
給付のためには申請をしてから、失業の認定を受ける必要があり、そのための求職活動をしなければいけません。求職活動として認められる内容は厚労省のページで確認できます。
実績にしやすいのはセミナーの参加です。ハローワーク・公的機関・民間それぞれで開催されていて、大人数を対象としたセミナーは聴講で終わりますので負担は少ないです。
私が実績にした中で最も手軽なのはdodaのセミナー動画で、アーカイブ動画の視聴・確認テストを受ければ実績となりました。
確認しただけでも求職活動証明となるセミナー動画が20ありましたので、全ての求職活動をこれだけですませることもできます。ただ、事実確認があった場合も想定して、自分にとって正当な活動であることを示せるかは考えておくべきです。
資格試験の受験も実績にできます。私は活用しましたが、実績にできるかは学習時間や試験の実施頻度との兼ね合いになります。特に年に1回や半年に1回しか実施しないような試験は、スケジュール上求職活動にするのは難しいと思います。
一方、自分で日程を決めて申し込めるCBT試験の資格の受験は求職活動に結びつけやすいです。CBT試験を実施している資格は以下で確認できますので、目的の資格がないか確認してみると良いと思います。
実績となるのは「再就職に資する」という記述がありますので、資格によっては求職活動とみなされない可能性があります。その点は注意が必要ですが、私の場合は事務系や会計に興味があり簿記とFPの受験を実績としました。
4. スケジュールの作成
給付申請をする前に全体のスケジュールを立てておくことをおススメします。
というのも申請した日の曜日・週型が基準となってその後の認定日が設定されますが、認定日の変更は基本不可なためです(認められるのは冠婚葬祭などに限られます)。
私の場合は、申請した日の同じ曜日の3週間後に初回認定日が設定されました。以降は4週間後の同じ曜日が認定日となります。
申請してからすぐに給付資格が得られるわけではありません。7日間の待期期間と1ヶ月の給付制限期間があります。待期期間は失業状態であることを確認するため、給付制限期間は給付目的の離職を防ぐために自己都合退職者に適用されています。この期間の給付はありませんが、必要な活動はして失業の認定を受ける必要があります。
したがって、最初の7日間の待期期間と1ヶ月の給付制限期間をあわせると、給付日数が150日の場合は申請してから給付終了まで半年以上はかかります。
私の場合は以下のリンクから辿れる失業認定日カレンダーを見ながら、曜日・週型の組み合わせを決める参考にしました。
年末年始(12/29~1/3)と祝日はハローワークが閉まっており、認定日がそれらの日になると別日に調整されます。その点も踏まえて曜日・週型を決めると良いと思います。
また、給付終了までに必要な求職活動の回数を把握し、どのように進めていくかある程度決めておくのがおススメです。
初回の認定は制度自体の説明会・講習会の参加が活動と認められ、自分で追加の活動をする必要はありませんが、2回目の認定からは毎回2回分の活動をして失業認定を受ける必要があります。そのため給付日数にもよりますが、必要な求職活動は10~12回分あることになります。
5. 給付手続きと求職活動の実行
制度を理解した上で給付を受けることを決めたら、ハローワークで申請します。
申請の際には離職票が必要です。離職票が届くまでの期間は会社によって異なりますので、スケジュールに余裕を持たせるか、会社に確認することをお勧めします。
私の場合、離職票の発行は退職後1か月から2か月かかると退職時の案内に書かれていてそのつもりでいましたが、実際には約3週間後に届きました。
申請前にハローワークインターネットサービスで求職者情報の登録をすませておくことをおススメします。申請時にハローワークの現地でも登録することはできますが、それなりに時間がかかります。事前に登録を済ませておくと申請時は職員の方との簡単な確認のみで終了します。
申請時に証明写真2枚を持参すると、申請後にもらう雇用保険受給資格者証に貼られ、毎回の認定日の本人確認が楽になります。マイナンバーカードの提示で代替できますが、認定日に毎回持参、提示するのは少し面倒でした。最近だとスマホで撮った写真で安く作れるので、それで持参するのもありだと思います。
申請後は初回認定日がわかり、その後のスケジュールも確定しますので、スケジュールにあわせて求職活動を実施します。初回は給付制限期間中のため給付はありませんが、2回目の認定日からは給付日数分の金額が申請した銀行口座に振り込まれます。
個別の記録
実際の給付手続きから終了までの様子は以下に残っていますので、よろしければ参考にしてください。
- 失業給付手続きの準備と申請
- 失業給付の初回認定&今後の求職活動計画
- 失業給付の認定(2回目)と求人チェック
- 失業給付の認定(3回目)と資格受験の準備
- 失業給付の認定(4回目)- 資格受験の申告について
- 失業給付の認定(5回目)- 手続き70分待ち
- 失業給付の認定(6回目)- 職業訓練制度を理解
- 失業給付の認定(7回目)- 支給終了
Q&A
その他、当初私が疑問に思っていたことを補足します(他に思い出したら追記します)。
- Q. ハローワークインターネットサービスの求職情報公開は「公開しない」、求職情報提供は「不可」にしても問題ない?
- A.「求職情報を公開しない」「地方自治体・地方版ハローワーク、民間人材ビジネスともに不可」に設定していましたが、特に問題ありませんでした。自分で活動するだけでなく、就職情報を知りたい・受け取りたい方は公開設定にすると良いと思います。
- Q. ハローワークインターネットサービスに登録したメールアドレス・携帯電話宛に連絡は来る?
- A. 「マイページ及びアカウント登録したメールアドレス以外のハローワークからの連絡可否」という項目を「連絡不可」にしていると申請時に連絡可にしてよいか聞かれました。この項目は「連絡可」にしておいた方が無難です。ただ、連絡可にしていても一度も連絡はありませんでした。
- Q. ハローワークインターネットサービスの希望職種・時間等はどう書くのが良い?
- A. 希望する就業形態や仕事など条件を指定できますが、求職活動とみなされる範囲で自分の希望をそのまま書くのが良いと思います。制度上、フルタイムや正社員に限定する必要はなく、週20時間以上で継続的に働く内容としていれば問題はないはずです。
- Q. ハローワーク職員とのやり取りはどの程度ある?
- A. 申請の際には各種説明を受けたり求職者情報の登録内容の確認などのやり取りがありますが、以降の認定手続きは書類の提出と確認だけの事務的な対応のみです。私は1回職業相談をしてみて職員の方からお話を聞きましたが、自分で求職活動を進めるのであれば1度も職業相談をしなくても問題ありません。
参考になりましたらクリックしていただけると嬉しいです。