※ 本記事はアフィリエイトリンクを含みます。
FIREを意識した2年くらい前(2024年頃)から気になる関連本は読んできたのですが、まだまだ王道と呼ばれる本に目を通せていません。
最近「サイコロジー・オブ・マネー」を読み終えたのですが、自分にとって良かった点や覚えておきたい点を備忘録としてまとめます。
概要
日本でもかなり売れているようなので図書館にも置いてあると思います。その分人気もあり、私も予約してから借りるまで約6ヵ月かかりました。
すぐに買って読みたい方は、よろしければ以下からどうぞ。
原書は「The Psychology of Money - Timeless Lessons on Wealth, Greed, and Happiness」で2020年9月発売、和訳版が2021年12月に発売されています。
著者のモーガン・ハウセルはベンチャーキャピタルのパートナーとして活動している方で、同じく話題となった「アート・オブ・スペンディングマネー」の著者です。
320ページ・20章構成で、1章あたりのページ数が少なめで読み易かったです。
3ページしかない章もあってそこは拍子抜けしました(笑)。
印象に残った内容
随所に考えさせられる表現があったり、後半の市場・バブルに関する説明は現在の状況を俯瞰するきっかけにもなり、自身の資産運用の立ち位置を考え直すきっかけとなりました。
特に今後も心に留めておきたい内容を抜粋します。
第3章「決して満足できない人たち」
「足るを知る」という表現を使いつつ、十分なお金を持っていても満足せず(never enough)、さらに増やそうとして失敗した人や会社の例を挙げています。
「「富の比較ゲーム」に参加してはいけない」、「大きな利益が得られる可能性があっても、危険を冒す価値のないものは多い」というサブセクションのタイトルにハッとさせられます。
私自身、Xなどを見ているだけで自分よりも資産額が何倍・何十倍もある方がたくさんいて、無意識的に比較してしまいます。
比較をはじめるとキリがないので、あらためて他人に流されないよう適度な距離感を保ちつつSNSを活用するようにしよう、と思いました。
第7章「自由」
この章はFIREに一番通ずると感じましたが、「幸せとは人生を自分でコントロールしていること」であり、お金の最大の価値は「好きな時に、好きな人と、好きなことができる」または「自分の時間をコントロールできるようにしてくれる」ことにあると書いています。
この点は私も完全に同意見で、会社員生活を続けた方が確実に資産は増やせるものの、それよりも自由に価値があると判断して卒サラしました。
FIRE生活に入って半年経ちましたが、今のところはこの判断でよかったと思っています。
第11章「合理的 > 数理的」
人間が選択する合理的な行動と計算上の最適な行動の差を説明しており、理論より非効率であったとしても合理的な行動の方が長続きしやすく長期投資に向いている、という内容です。
例えば投資資産に思い入れを持っていれば不調時にも簡単に手放すことはなく、長期的にはプラスになる可能性が高いため、合理的な選択・行動であるとしています。
第13章「誤りの余地」
誤りの余地(原文はRoom for Error)」について、以下のように説明しています。
不確かなものに対処する唯一の方法は、「こうなるだろう」と考えた出来事の範囲と、実際に起こり得る出来事の範囲の間に余地を設けて、失敗してもまた挑戦できる余力を残しておくことなのである。
途中で「安全域(Margin of Safety)」という表現も出てきますが同じ意味で使われていて、市場の価格変動リスクによる資産の上下や投資対象の平均利回りが将来的に低くなる可能性を織り込むべき、と主張しています。
実際に、著者自身はこの先将来の利回りの予測を過去の平均値より1/3ほど低く見積もっている、と書いています。
私もFIの必要資産額を出す際、4%ルールを基準にしつつ段階的にバッファを設けて考えましたが、似た考え方で判断していたかなと思います。
また「将来的に想定できないこと(未知のリスク)は必ず起こる」ことを前提にして、「単一障害点」によるトラブルを回避することにも言及しています。
エンジニア職として携わっていた経験上、私もこの重要性は実感していて、依存度合いが大きいものほど複数の手段を用意するように心がけています。
資産の投資対象を分散していることもありますが、日常生活でも銀行口座、クレジットカード、証券会社、電子マネー、通信回線、PCなどの代替は意識しています(住環境は現時点で課題ですが...)。
第15章「この世に無料のものはない」
面白いと思ったのは、投資で成功する代償とは「絶えず市場に翻弄される」ことだ、という表現でした。
2026年に入ってからも市場が激しく動いていますが、投資を続ける以上は避けられないことなので、長期的な視点を持って接し続けるのが妥当であるとあらためて考えるようになりました。
第16章「市場のゲーム」
2000年代のインターネット・バブルとリーマンショックを招いた米国住宅バブル時に市場で起きていたことを解説していて、以下の説明が目を引きます。
金融の世界には「お金は儲かるところに引き寄せられる」という鉄則がある。ある投資資産に勢い(モメンタム)があれば(すなわち、一定期間、一貫して上昇していれば)、短期的なトレーダーにとって、その投資資産が今後も上昇し続けると考えるのはおかしなことではない。
そしてバブルとは、この短期的なリターンの勢いが増し、そこに資金が集まり、長期的ではなく、短期的な視点で投資する人が大勢参加することで作り出される。
つまりバブルとは、投資資産の評価があがったために起こるわけではない。バブルとは短期的なトレーダーが増え、投資の時間軸が短くなったことの表れなのだ。
現在のAI・半導体に資金が集中している状況を説明しているようにも感じます。
AIへの投資はすでに過剰であるという見解や、AIは実際に価値があり評価の適正値まで(まだまだ)上がるという見解もあります。どちらが正解かはわかりませんが、私はAI・半導体の個別株にはこのまま手を出さずインデックス投信に含まれている部分だけで参加しよう、と思えるようになりました。
おわりに
最初読んでいるときは他のFIRE本と重複する内容も多かったのでどうかな...と思ってましたが、後半部分は現在の市場への関わり方を確認するきっかけになり、読んでよかったと思える本でした。
本の中では経済的自立という表現は出てきますが、FIREという言葉は使われていなかったと思います。著者自身の現状がFI達成済ではあるもののREではないため、あえて使わなかったかもしれません。
他にも多くの教え(= timeless lessons)がありますが、最後の第20章「告白」は著者自身の貯蓄・投資に関する紹介があります。
その中にあった、私も心に留めておきたい言葉を引用しておきます。
作家のナシーム・タレブはこう言っている。
「真の成功とは、ラット・レースから抜け出して、心の平穏のために生きることである」
私はこの言葉が好きだ。
参考になりましたらクリックしていただけると嬉しいです。